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自己破産をした場合に退去費用はどうなるか

  • 文責:所長 弁護士 秋葉俊孝
  • 最終更新日:2025年9月12日

1 不動産の退去費用の扱いは状況によって変わります

賃貸物件等からの退去費用の扱いは、発生したタイミングが自己破産の前であるか後であるかによって変わります。

一般的に、自己破産開始決定前に退去する場合、退去時の原状回復費用、修繕費などの退去費用は免責の対象になります。

一方で、退去費用が自己破産開始決定後に発生した場合には、原則として免責の対象外となります。

ただし、自己破産開始決定後に退去することになった場合、退去費用の発生時期については、解釈が分かれる可能性があります。

賃貸借契約終了時と解釈する場合は、免責の対象にならないと考えられます。

以下のように、退去費用の原因となる事実(通常の使用の範囲を超えた内装の破損など)が発生した時期と解釈する場合で、その原因が破産開始前に発生しているときには、免責の対象になり得るとも考えられます。

2 自己破産の対象となる債務

自己破産は、債務総額や収支の状況からみて、返済不能であると裁判所が判断した場合に、一部の例外を除く債務の返済責任を免除してもらう手続き(免責許可)です。

自己破産(免責)の対象となるのは、破産手続開始決定時点前に発生した債務です(非免責債権を除く)。

したがって、自己破産の手続開始決定前に賃貸借契約を解除していて、退去費用の支払い義務が発生していた場合、裁判所が免責を許可すれば、支払い義務がなくなる可能性があります。

【参考条文】

(定義)

第二条

(第1項~第4項略)

5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。

(第6項以下略)

参考リンク:e-Gov法令検索(破産法)・定義

3 自己破産後に退去する場合

少なくとも、自己破産手続開始決定後に発生した原因に基づく退去費用は、新たな債務として扱われるため免責の対象にならないと考えられます。

あくまでも、免責の対象となる債務は、破産手続開始決定前に存在したものであるためです。

自己破産をすると、それまで返済のために支払っていた金銭相当額を元手に、退去費用を支払うべきであるといえます。

なお、自己破産は、原則として保有している財産が換価され、債権者への支払い等に充てられる手続きですが、一定金額の金銭等は手元に残すことができます。

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